こんにちは、K2 College奥山です。
英語で経営コンサルティングの仕事や執筆・講演活動をやってきた私に言わせれば、日本人の英語力が貧弱極まりないのは“英語脳”がないからではない。今の文科省の学習指導要領に基づいた英語教育が間違っているからである。したがって、学校の英語教育を根本から変えるべきなのだ。
– 大前研一氏「日本人の英語力が貧弱なのは間違った文科省教育のせいだ」(週刊ポスト2021年11月19・26日号)
英語力の高い国Top3はオランダ、オーストリア、そしてデンマーク
私立の語学学校としては世界最大級であるスウェーデンのEF Education Firstが毎年発表している「English Proficiency Index」。英語を母語としない112カ国の英語力(主にヒアリングとスピーキング)を調査して、ランキングを作成しているのですが、その最新版が発表されました。1位:オランダ、2位:オーストリア、3位デンマークと上位3カ国は欧州。次いで4位はシンガポールで、アジアでは最上位となっています。このニュース、日本では一切報じられていないのではないかと思いますが、香港ではなかなかバズっていて、「英語力こそが香港人の優位性の一つ」とか「これからは中国語に力を入れるべき」など、教育方針を巡った論争に発展しています。いくら中国化が進んでいるとはいえ、アジア随一の金融センターとしての地位を保ちたいのであれば、確かに英語は必須ですからね。因みに私の実感では、シンガポール人と香港人とでそれ程英語力に差があるようには思えませんが…。
相変わらず英語が苦手な日本人。しかも英語力は低下傾向に…
それでは日本ですが…78位。中国(49位)より下というのは大して驚きではないのですが、パキスタン(63位)、バングラディッシュ(65位)、ベトナム(66位)の後塵を拝しているというのは、仮にも先進国としては少し寂しいですね。しかも、アジアの中で前回の調査から最もポイントを落とした国という不名誉な称号付き。日本では中学校〜大学までの10年間に渡って英語を習うのが一般的だとして(小学校を含めたら最長14年間)、それで現状がこんななのであれば、大前氏に指摘されるまでもなく、現在の教育制度に問題があるのは明白だと思うのですが、あまり騒がれませんね。とは言いながらも、先日の記事にもあるように、英語を重視する日本人は少なくないようで。まさか民間の英語塾・教室を設けさせたくて、文科省と民間企業が結託しているなんてことはないと思いますが…。
株式会社ユーキャンが行った「2021年に武器になると思う資格は?」という調査では、FPは1位「TOEIC L&Rテスト」に次いで2位。
– K2 Collegeコラム「人気の資格「ファイナンシャルプランナー(FP)」、でも現実は…。海外・オフショア投資に携わるようになったパートナーさんの話」(2021年11月16日)
英語力と国力とに強い相関関係があるとは一概には言えないでしょうし、個人レベルでは「自分は海外なんて関係ない」「英語に携わるような仕事・生活なんてしていない」といった人が大半でしょう。2005〜6年あたりに「国家の品格」がヒットした時は「英語不要論」なんてのも。でも、英語と全く関わりを持たずに生活している人であれば、英語ができないことで不利益を被ることはないのでしょうか?
英語ができないことによるコスト
金融についてです。他のコラムでもお話ししていますが、日本国内の金融機関から購入できる投資商品は、海外のものと比べて手数料が高いと一般的に言われています。
「海外でヘッジファンドに投資」とか言うと、「日本の証券会社や銀行で買えるものもありますよね」と指摘されるかも知れません。その通りです。しかし国内の金融機関を通じて購入できるものは日本の規制の範囲内で販売・運用がされていて、例えば海外ヘッジファンドを輸入して、日本で投信として組成する「輸入ヘッジファンド」のように、運用が海外のファンドにリンクするようなものであったとしても、入り口は国内の輸入ファンド(フィーダーファンド)になるため、海外のファンド(マザーファンド)が良好なリターンを出しても、投資家に還元されるリターンは流通コストで減ってしまうのです。
– K2 Collegeコラム「海外・オフショアでは一般人でもヘッジファンドにアクセスできる時代が到来。今人気なのは高利回り&満期時元本確保型商品」(2021年10月20日)
1996年に始まった金融制度改革、所謂「金融ビッグバン」。これにより、日本人でも当局への届出無しで外国の金融機関と直接やり取りをすることができるようになりました。法律上も問題なく、技術革新によって様々なことがインターネットを通じて実現することができるようになった今、海外・オフショア投資はより身近なものになってきています。ただ、それでもごく一部の人達に対してのものに留まってしまっているのは、それこそ「英語力」も要因の一つなのではないでしょうか?
英語ができない人にも海外・オフショア投資のチャンス
「英語ができなければ海外・オフショア投資ができない」と言っているわけではありません。実際に私の周辺には英語が不得手でも海外・オフショア投資をしている人も、ビジネスとして携わっている人も沢山います。但し、そんなことが可能なのも、弊社のように海外・オフショアと日本人とを橋渡しする存在があってこそなのです。
特に金融の世界においては、英語のシェアが圧倒的です。この仕事をしていると様々な国の人達と話す機会がありますが、相手が中国人であろうとシンガポール人であろうとドイツ人であろうとフランス人であろうと、コミュニケーションは英語。ニュースや記事、論文についても英語があれば入手できる情報が飛躍的に増えますから、資産運用の世界でビジネスするには英語ができた方が相当有利です。
クドイようですが、全ての日本人にとって英語が重要であるとは思いません。但し、効率的な資産運用といった観点からは海外・オフショアに目を向けるべきですし、それであれば英語は必須。では、英語ができないから海外・オフショア投資を諦めなければいけないのかというとそれも違っていて、私達のような存在を上手に活用してもらえれば海外で資産運用することも、ビジネスとして携わることも可能なのです。今から英語塾に通い始めるか、それとも海外での資産運用に精通した専門家と手を組むか。英語が不得手でもパートナーとして活動されている方は沢山いらっしゃいますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
著者プロフィール
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<経歴>
獨協大学外国語学部卒業
オーストラリア・シドニーで日系旅行会社(近畿日本ツーリスト)、英系オンラインFXプロバイダー(CMC Markets)に勤めた後、結婚を機に妻の出身地である香港に移住。同地で独立系IFA(Jumbo Alliance Funds)に10年、新生銀行資本のNippon Wealth Limitedに3年勤務し、為替、債券、投資信託、及び保険といった金融商品の販売や取引先の開拓に従事。20年に及ぶ海外生活に終止符を打ち、2021年春に日本に帰国し、同年5月にK2 Holdingsに参画。
<趣味>
旅行、読書、テニス
<出身地>
埼玉県川口市
<自己紹介>
ホテル・レストラン経営を学ため、ホスピタリティーのメッカであるオーストラリア・シドニーに留学し、一旦は現地で旅行会社に就職したのですが、友人の影響を受けて株式投資を始めたことを機に金融に対する興味が増し、思い切って金融の世界に飛び込んだのが2007年。そこから一貫して海外の金融商品を日本国内外のお客様に紹介してまいりました。
これまでのキャリアで学んできたことの中で最も大きいと思うことのは、金融という無味乾燥に見える業界においても、誠実さや真心、信頼や義理人情に勝るものはなく、それは国籍を問わず同じであるということ。低金利政策が長引き、あらゆる業界において規制緩和も遅々として進まないという日本の現状に失望し、海外投資に興味を持つ人が沢山いる一方で、横文字だらけでハードルが高いと感じ、第一歩を踏み出すことができないでいる人がたくさんいることも事実です。そんな方々に安心して海外投資を始め、続けてもらえるようスタッフ一丸となって誠心誠意サポートしていきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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