2024年3月までに景気後退に陥る可能性がある

こんにちは。K2 College大崎です。

1日の米金融市場では株式と債券が上昇しましたね。

FRB(連邦準備制度理事会)パウエル議長の発言やISM製造業景況指数が予想を下回ったことで株式、債券ともに買われましたが、

市場では、今月のFOMC(連邦公開市場委員会)で金利を据え置き、2024年の早い段階で利下げに動くとの観測が拡がっています。

  • 利下げ観測が高まる
  • 2024年3月までに景気後退に陥る可能性がある
  • バイデン政権のバラマキで11月まで株価は維持される?

利下げ観測が高まる

先週の時点では、利下げは6月と予測されておりましたが、すでに3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げが開始されるとの予測が60%も占めております。

どうして市場では利下げ開始が早まると予測しているのでしょうか?

理由は様々ですが、インフレ率が予想していたよりも速いペースで低下している点があります。

インフレを抑制するために急激に利上げをしてきたわけですから、インフレ率が低下してこれば利下げが開始されると考えますね。

また、タカ派のウォラーFRB理事が「インフレ率が低下し十分に低くなれば、金利をこうした水準に維持する必要性は必ずしもない」と、インフレ鈍化が続けば利下げを検討することを認める意向を示したことも大きいですね。

米運用会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント創業者のビル・アックマン氏も1-3月(第1四半期)にも利下げに踏み切ると見込んでいます。

2024年3月までに景気後退に陥る可能性がある

以前の記事逆イールド(長短金利差逆転)が発生していると読んだのですが、現状はどのような状況なのでしょうか?

いい質問ですね。
逆イールドは解消に向かいつつありますが、まだ逆イールドは生じております。

債券利回りは償還までの期間が長くなるほど利回りが高くなるのが一般的ですが、10年物国債から2年物国債の利回りを差し引いた数値がマイナスにあると逆イールド(長短金利差逆転)が発生するわけでしたね。

市場ではリセッション(景気後退)の指標として10年物国債と2年物国債の利回りを注視しており、過去、2年物国債の利回りが10年物国債を上回る逆イールドが発生してから6カ月から24カ月の間に、リセッション(景気後退)に陥っていましたね。

ただ、逆イールドが解消してからリセッション(景気後退)に陥っていましたから、逆イールドの解消に要注目ですね。

なお、モーニングスター資料でも、逆イールド発生月(ア)から景気後退開始月(オ)まで、6ヶ月から24ヶ月要しているのが確認できるかと思います。

また、以下のグラフは、フェデラル・ファンド金利(米政策金利)と、1981年以降の各景気後退に先立つ一連の利上げにおける最後の利上げからの時間を月単位で示した資料ですが、最後の利上げから景気後退の間の平均期間は11ヶ月となっております。

FRBが最後の利上げしたのは2023年7月でしたから、それが最後の利上げだとすると、2024年6月頃には景気後退が起こる可能性がありますね。

ただ、あくまでも過去平均が11ヶ月ですから、それよりも早くなる可能性もあります。

市場の利下げ開始見込みが正しければ、それこそ2024年3月頃の可能性もありますね。

すでに米国企業の景況感を示す「ISM製造業景況感指数」は50割れが続いておりますし、逆イールド(長短金利差逆転)も続いております。

この2つが同じ時期に発生した場合は景気後退に向かうといわれておりますから、2024年は景気後退に陥る可能性があると考えておいた方が良いでしょう。

失業率も上昇してきておりますし、過去の数値も下方修正を繰り返しておりますしね。

バイデン政権のバラマキで11月まで株価は維持される?

S&P500インデックスは昨年3月以来の高値に達しております。

昨年12月に投稿された「景気後退までは株価は上昇傾向」の記事では、逆イールド発生月から景気後退開始月までは(ITバブル崩壊の期間以外)株価は上昇しているというデータを掲載してましたが、本当に上昇してきましたね。

過去のデータを信じるとすると、景気後退開始と予想する2024年6月頃までは株価は上昇するでしょうか?

景気後退が起こると個人消費が減退し、企業はモノの生産を控えるようになります。

その対応策として中央銀行は金利を引き下げるのですが、先に述べた通り、すでに市場では3月のFOMCで利下げが開始されるとの予測が拡がっていますから、それまで持たないかも知れませんね。

現在、S&P500インデックスがバブルであると示す指標がいくつも確認されておりますが、バブルが弾ける可能性がないわけではではありません。

逆に、FRBが金融引き締めに取り組んできた一方で、大規模な金融緩和(バラマキ)をしてきたバイデン政権が11月の大統領選挙を控えてバラマキを加速するかも知れませんから、株価は維持される可能性もあります。

先行きが不透明な時ですから、元本が確保される金融商品や債券、高配当株式、REITなどのインカムゲインが得られる資産の割合を増やしておくと良いと思います。

まとめ

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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